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今月4日深夜に放送された『耳の穴かっぽじって聞け!』(テレビ朝日系)で、濱田が語っていたことがある。
「テレビでは多様性とかSDGsとか言ってるけど、ホンマやろうか」
「障害のある芸人やタレントは、ほぼ福祉番組に閉じ込められている気がする」
「その原因は、テレビ番組側が受け入れる取り組みをしていないこと」
『ブラリモウドク』は、その濱田の問いかけに対するアンサーを体現したような番組だった。
盲目の芸人が盲目であることを、どう笑ったらいいか。濱田本人と関西若手の兄貴分であるトキが、丁寧にひとつずつ解説していく。盲目の芸人の取扱説明書を作っていく。
確かに、変わる予感があった。テレビが変わる、ささやかな予感である。
濱田はおそらく、盲目イジリに対する返しを100万個は用意しているはずだ。トキはこの番組で極めて重要な役割を果たしたが、まだまだ優しいのである。
もっと刺せ。誰か、もっと刺してこい。
濱田はきっと、そう思っているはずだ。
(文=新越谷ノリヲ)