■作品賞/『くるり~誰が私と恋をした?~』

 シンプルに、いちばんおもしろかった『くるり』を作品賞にしたいと思います。

 事故で記憶を失ったOL・緒方まことが、記憶を失ったまま生き方を模索していく様を主体的に描くスタイルは新鮮でしたし、特にクール前半は1話ごとにメッセージ性に富んだ物語を作っていました。

 ヒロイン1人にイケメン3人というラブコメのルックを取りつつ、自己の再生・再発見というテーマと真面目に向き合いながら、さらにミステリーとしても最終回まで謎を残すという構成もお見事。

 瀬戸康史や神尾楓珠のファンに向けたサービス精神も旺盛でしたし、総じて高いレベルでまとめてきたという印象でした。