◆職業モノのドラマの魅力

松下由樹さん
――ある意味、転機になったシリーズなのですね。

松下:そうですね。あの作品に出会えて印象が変わり、そこから役柄もシリアスだけでなく、明るい役柄も見ていただけるようになったと思います。

――ナースのようなモデルとなる業界の方がいて、その方たちの想いも背負ったりすることもあるかと思いますが、それを託されて丁寧に表現していく俳優という仕事は、続けていてよかったと思うことはありますか?

松下:あります。わたしがどんな役でも、職業モノだったらやっぱり憧れてもらいたいなって、勝手なのですが、思っちゃうんですよね。

わたしが知らない職業だったり、まだ世の中に定着していない職業だったりすることもありました。ナースの時もそうでしたが、ナースをコメディで描くって、当時はタブーとされていたと思います。今や普通ですが、当時はNGも多かったんです。特にパート1の最初は。

でも、世の中に認知されていくと、だんだんとOKが出るようになるんです。大変なイメージのある職業や、誰もが憧れるわけではない職業が、ドラマがきっかけで憧れの的になっていく。そうやってその職業が知られていくっていうことが、すごく素敵なことだなと思いました。