2016年、42歳のクリスマスイブに突如乳がん宣告。(ステージⅡB)。晴天の霹靂だった「がん宣告」から約1年間、泣いたり笑ったり怒涛の日々を駆け抜けた、私のがん治療ドキュメンタリーを連載でお届けしています。

※治療方針や、医師や看護師の発言は筆者の病状等を踏まえてのものであり、すべての患者さんに当てはまるものではありません。また、薬の副作用には個人差があります。

◆抗がん剤治療中、引越しをきっかけに夫婦関係が…

夫婦喧嘩
※イメージです
 抗がん剤を打っている真っ最中、「いろんなことをリセットしたい」という心境になっていた私はある日、運命の物件と出会ってしまいます。「引っ越したい!」と強く思うようになり夫に相談すると、変化が嫌いな夫は反対しつつも、内見に行くことは許してくれました。

 仲介業者の女性と盛り上がりウキウキ気分で内見を終えましたが、その後、夫がまさかの大激怒。そんな計画は微塵もありませんでしたが、夫が引き下がれないように意図的に追い込んだと思わせてしまったようなのです……。

 夫が機嫌を損ねたまま、成約は無事済みました(いまだに夫が何を考えていたのかわかりません……)。しかし夫婦関係にはヒビが入ってしまったまま。そんな状況で抗がん剤治療を続けていました。

「なぜ、あのときにあのタイミングで、そんなことが起こったのだろう?」と今でも不思議な気持ちになることがあります。今まで引っ越しのチャンスは何度もあったのにピンと来ず、よりによって乳がんの治療中にこれ以上ない好条件の部屋にこのタイミングで出会ってしまったことは、なにか運命のようなものを感じてしまったのでしょう。

 自分の直感としか言いようがないものに動かされているような感覚を持って起こした行動ですが、ここまで夫婦関係がおかしくなってしまった現実もあり、何か大きな間違いを犯してしまったような気持ちでふさぎ込んでいました。