◆人口が増え続ける限り、世界経済は発展していく

 では、なぜ今後も世界経済は発展していくと予想できるのか。

 その理由のひとつに、世界の人口の増加があります。日本国内を見ると、経済成長できない状況が長く続いてきましたが、その要因のひとつに冒頭でご紹介したような人口減少があるのも否めません。人口減少社会では、計算上マクロでの個人消費も減少するので、経済成長を阻むことになります。

 しかし、世界全体で見れば、人口は一貫して増加し続けています。世界人口白書によれば、2023年時点で、世界の人口は80億4500万人だと発表されています。国連が発表する「世界人口の推移」によれば、2050年の推計では、97億人にまで増えると予想され、その人口は2080年代までは増え続けるといわれています。

 この世に生まれ落ちる人間が増え、彼らが欲望を持ち続ける限り、経済は成長し続けます。それは、戦後の高度経済成長期に、日本人が「少しでも良い生活をしたい」「幸せになりたい」とのモチベーションを持ったことで、経済が急激に発展したことを見ても、よくわかるのではないでしょうか。