◆「いろいろなものが濁ってくるけれど…」

『おいしい給食 Road to イカメシ』
――生徒という形でたくさんの後進の俳優さんも出ているので、先生と生徒、先輩と後輩という似たような関係性で、自ら範を垂れている側面もあるかと思いますが、いかがでしょうか?

市原:何が正解かは分からないです。僕の気持ちとしては、ふがいないことも理不尽なこともたくさんある世界であり、この芝居をやっている25年間の中でも、たくさんいろいろな想いをして来ましたから。

いろいろなものが濁ってくるけれど、それをろ過することはもっと大変なこと。重複しますが、泥水の中に手をつっこみ、なんとしても夢を持ち上げて来るのだという想いを忘れずにと、結局は自分との戦いということなのですが。

この作品でも、甘利田先生はシンプルだけれど、世の中はシンプルじゃないというセリフが出て来るのですが、だからこそシンプルな想いを忘れずにいたいんです。それぞれの部署が集まり、違う会社が集まるなか、それぞれの理念がぶつかり合うものですが、どこかで存在意義というか、みんなが集まってひとつのものを作る存在意義を証明したいんです。