今年度の「すみだ向島EXPO」が、10月5日(土)~11月3日(日)の期間、東京都墨田区京島・八広・文花などのすみだ向島エリアで開催されることが決定した。

「すみだ向島EXPO」について

「すみだ向島EXPO」は、東京都墨田区の京島・八広・文花周辺エリアの町を舞台に、古くから住む人、表現活動を求めて移り住んだ人、その他この場所の不思議な魅力に引き寄せられた人々に支えられながら、2020年度より毎秋に開催している地域没入型のイベントだ。

戦前の長屋が今なお残るこの町の建物や商店街などを舞台に、さまざまなアート作品展示やプロジェクトの発表、ゲリライベントなどが繰り広げられる1か月間となる。

八島花文化財団について

「八島花」(やつしまはな)とは、墨田区の北部に位置する八広・京島・文花の町名に由来し、広くは向島地域を指す言葉。

関東大震災を乗り越え、東京大空襲を免れたこの地域は、現在も昭和初期の町並みを色濃く残し、古き東京の伝統と生活が息づいている。

その風景はどこか懐かしく温かみに溢れる一方で、地域は防災や不動産開発といった多くの課題にも直面しているという。

八島花文化財団はこれらの課題に取り組みながら、この町の生活文化を未来へと承継することを目的として2023年に設立された。

「すみだ向島EXPO」主催団体の同団体では、土地や建物のハード、暮らしや営みのソフトの両者をともに大切な地域資源と捉え、それらに新たな価値を創出することにより、町の魅力を向上するための様々な事業を積極的に展開している。

コンセプトは、それぞれが自由に感じとる余白

写真:福島直樹さん

「すみだ向島EXPO」は、コロナ禍の2020年に始まり、この5年間途切れることなく続いてきた地域に密着したイベント。


今年度は、これまでの開催実績を踏まえ、歴史あるこの町の営みや暮らし、空気感、そして参加する人々にフォーカスし、それぞれが自由に感じとる余白をあえてコンセプトに掲げる。

なお、このコンセプトは、日本各地で食を通じた地方創生や芸術祭で活躍してきた食のアーティストであるソウダルア氏が、その経験をもとに生み出した。

同イベントでは、それぞれが、空白の括弧『  』の中を自由な発想と想像力で埋めていくことで、十人十色、参加者の分だけ異なるプロジェクトが生まれていくとしている。

京島・八広・文花周辺エリアの魅力を伝えるために

「すみだ向島EXPO」の活動は社会実験であり、まちづくりであり、アートプロジェクトだ。

同イベントをきっかけに人々が町を自由な視点から楽しむことで、他に類のないこのエリアの魅力が広く伝わり、新たな価値が加わり、それが遺されていくことを願っているという。

そして、全ての参加者の人々に、日々変化し続け、今まさに更に注目されようとしているこの町の目撃者になって欲しいと考えている。