全てのお金持ちが経済的に恵まれた環境で育ったわけではない。Airbnbの共同設立者ブライアン・チェスキー氏、パタゴニア設立者イヴォン・シュイナード氏、米著名女性起業家オプラ・ウィンフリー氏、米不動産王レオン・チャーニー氏など、貧しい境遇から這い上がったビリオネアも多い。
P.L.アダム氏は、起業情報サイト「Entrepreneur」で多数のセルフメイド・ビリオネアと実際に接してきた。その中で学んだ「ゼロから成功するためにビリオネアが用いた戦略」 を見てみよう。
世界に豊かな価値をもたらすものを創造する
起業するにせよ雇われるにせよ、「世界に価値をもたらすものを創り出す」ことが大きな成功のカギだ。単に商品やサービスを売るだけでは、それなりの成功しか手に入らないだろう。
パタゴニアやブラックダイヤモンドを設立した米著名登山家イヴォン・シュイナード氏は、クライミング用品を軽量化し、機能性や耐久性を向上するという手法で商品に価値を与え、巨額の富を手にした。
裕福な家庭に育ったわけではなく、両親はスペインからカリフォルニアへの移民である。シュイナード 氏は中古の収穫鎌で最初のピトンを作り 、ビジネスとして拡大していった。初期の作業場は両親の家の裏庭だったという。
シュイナード氏の成功は、ゼロから何十億ドルもの富を築いたビリオネアのほんの一例だ。米メディア界の女王、オプラ・ウィンフリー氏は十代で未婚の母親の元に生まれ、親戚の家を転々とする子ども時代を送ったが、メディアという媒体から世界に価値をもたらすことで、世界で6番目に裕福な女性セルフメイド・ビリオネアとなった(フォーブス2018年7月12日データ)。
人々に愛される商品・サービスを作る
消費者に愛される商品やサービスを生み出すことで苦境から這い上がり、自らの地位を築いたセルフメイド・ミリオネアも多い。
米国大手電子たばこ会社Logicの設立者ハワード・ペイン氏は、同社を設立した2010年当時、売上不振で60万ドルの負債を抱え、自宅も抵当に入れていた。しかし電子たばこの需要が急拡大した結果、1年半で売上を1億ドルに伸ばし、2015年7月、日本たばこ産業株式会社の国際部門Japan Tobacco International 社に買収された(Entrepreneu2017年10月27日付記事 )。
ホームレス生活から一転、ビリオネアへの階段を駆け上がったジョン・ポール・デジョリア氏の例もある。息子と車に住んでいたデジョリア氏は 36歳の時、700ドルの借金でヘアケアブランド「ポール・ミッチェル」を立ち上げた。初期は訪問販売をして売上を伸ばしたそうだ。