◆熱狂的に支持された時代背景
「言いたい事も言えないこんな世の中じゃ POISON 俺は俺をだますことなく生きてゆく」
反町作詞による主題歌サビのフレーズだ。言葉の意味を噛み締めるように歌う力強い歌唱がストレートに響く。回し蹴りの荒技がこうして歌唱にもダイレクトにあらわれるのだ。
この歌詞と鬼塚のキャラクター性が当時の若者に熱狂的に支持された。背景には、バブル崩壊後の時代性がある。本作が放送された1998年は、1000年に一度の世紀末の混迷。次の時代を迎えられるかわからない不安を世界中の人々が抱く中、鬼塚のような強く真っ直ぐなヒーロー像が求められた。
優れたテレビドラマ作品は、その時代をリアルタイムで写し取るものだが、さすがは遊川和彦による脚本のセンスを感じる。こうした時代感覚が、鬼塚のキャラクター性をこれでもかと引き立て、本作を唯一無二の学園ドラマに仕上げている。