◆子どもが嘔吐する様子を、SNSに投稿した母親の後悔

――小さい頃は気づかなくても大人になってから、親にされたことに違和感や拒否感を抱くケースもありそうです。

芙和「以前、あるお母様から『親子関係が修復できない』という相談を受けたことがあります。その方は、家族旅行の様子を動画で撮影しSNSに投稿したそうです。動画では、お子さんが気持ち悪くなって嘔吐した場面も撮影していたとのことでした。

お子さんは動画を見たクラスメートから嘔吐したことをからかわれ、心無いあだ名をつけられたとお母様に泣いて怒ったそうです。そこから、お子さんに何を言っても聞いてもらえなくなってしまいました」

嘔吐する子ども
――お子さんからしたら、親に裏切られたという気持ちがありそうですよね。

芙和「もし自分が嘔吐している場面を家族に撮られてSNSにあげられたらどうか? 苦しんでいる時にケアしてくれるどころか撮影をされていたらどう思うか? もう少し想像と共感力があれば、このような問題も防げていたのではないでしょうか。

子どもを“一人の人”として尊重することが大事です。国連で採択された『子どもの権利条約』にもあるように、大人と同じように一人の人間として、子どもの人権を認めて守らなくてはいけない。このことを、何度でも思い出してほしいと思います」