◆東北人の根っこの部分の真面目さが「懸賞生活」にも作用した

――思い出すことも辛かった経験が、いつの間にか糧(かて)にできるまでになっていたのですね。

「『懸賞生活』を終えた3~5年では経験したことの意味はわかりませんでしたよ。でも、10~15年くらい経った頃にようやく少しわかってきて、25年経った今、こうして映画化されるまでになった……まさか、自分のドキュメンタリーが発信される日が来るなんて思いもしませんでしたね」

(C)日本テレビ
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――なすびさんって、お話してみると本当に真面目(まじめ)な方ですよね。

「この真面目さが『懸賞生活』にも作用したんだと思いますよ。あれは真面目な人間じゃなければ、とっくに逃げていたはずだから(笑)

この真面目な性格って東北人の根っこの部分なんですよね。震災の時期にも自分たちが大変な状況なのに『他にもっと大変な人たちがいるから、そっちに行ってあげて』なんて言えちゃう人が多かった。利己より利他。そういう気質の人たちなんです」