◆婚活で疲れてしまった時は?
――婚活中の女性は病気の方もそうではない方も、疲れて落ち込んでしまう時期があると思います。そういう時はどうしたらいいと思いますか?
にゅすけ:私自身、婚活をして疲れてしまった経験があります。そんな時の対策として、石田さんの原作にもあるのですが、「居場所の分散」がすごく大切だと思います。婚活一本勝負で一喜一憂してしまわないように、別の居場所を作るんです。私の場合は特撮が好きなので特撮仲間をいっぱい作って、婚活で嫌なことがあると「大特撮パーティー」を開催していました(笑)。
石田:素晴らしいですね(笑)。私としては、何よりも生活を大切にしてほしいです。この物語は婚活本なのに、お風呂と歯磨きをするところから始まっています。それは生活を大事にすることは、自尊心を大事にすることだと伝えたいからです。
病を抱える人の中には、「自分を大切にする」という意味が分からない人がいます。だからまずはしっかりと眠って、食べて、人と話す。足を動かして場所が変われば聞こえてくる話が変わります。嫌な男の人に出会ったら、仲間に「嫌な人だったね」と話す。自尊心を損なうような相手にはNOと言っていいんです。そしてNOと言えた自分を褒めてあげてください。そのためにも、まずはご自分の生活を第一にしてほしいなと思います。
【石田月美】
1983年生まれ。東京育ち。幼少の頃から周囲と馴染めず、浮き上がった自分を抱えながら過ごす。生き延びるための物語&How toを綴った『ウツ婚‼ ―死にたい私が生き延びるための婚活』を晶文社より2020年に出版。様々な精神疾患を抱えたまま、婚活し結婚し、不妊治療を経て、現在二児の母。
【磋藤にゅすけ】
1987年6月10日生まれ。東京都出身。2011年第13回アックスマンガ新人賞林静一個人賞受賞。代表作に『イカレた彼氏と4ねん付き合った話』『ご無沙汰ちゃんは××したい』『すねかじりアラサーのコロナ破産奔走記』等
(C)石田月美・磋藤にゅすけ/講談社
<文/都田ミツコ>
【都田ミツコ】
ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。