お中元の「のし(熨斗)」の種類は?

①水引が結びきりのタイプ

「のし」には、3種類あることをご存知でしょうか。3種類の「のし」は使用する場面が異なります。まず、1つ目は、水引が結びきりのタイプです。結びきりの色には、グレー系の色や紅白があります。短冊のしは小さいサイズの「のし」です。

結びきりの場合、一度結ぶと簡単にほどくことができません。そのため、1度だけにしてほしいことに対して使います。たとえば、結婚やお葬式などです。

結びきりの中でも、さらに2種類に分類することができます。1種類目は紅白の結びきりです。紅白の結びきりは、結婚や快気祝いなどに使います。もう1種類は黒白の結びきりです。黒白の結びきりは、お葬式の御霊前に使います。使用場面に合った色の水引を使いましょう。

②水引が蝶結びのタイプ

水引が結びきりの「のし」のほかに、蝶結びという種類の「のし」があります。蝶結びの紐の色は、赤色と金色や紅白の紐が多いです。すぐにほどくことが可能なため、もう一度結ぶのも簡単です。このことから、何度も繰り返すことを表します。良いことはたくさん起こる方が良いため、喜ばしいことに対して用います。

お中元は、相手に対する日ごろの感謝を伝えるイベントです。喜ばしいことであり、繰り返しても問題ないことから、お中元の水引は蝶結びのタイプを使いましょう。水引の種類を間違えてしまうと、失礼になってしまいます。そのため、水引の種類と目的はしっかりと覚えておくと良いでしょう。

最近では、オリジナルの「のし」が作れる、無料テンプレートを扱うインターネットサイトが増えています。カジュアルな場面でお中元を贈るのであれば、そういったユニークな「のし」を使ってみるのも良いのではないでしょうか。

③短冊のし

お中元の「のし」の種類として、短冊のしがあります。通常、のしは贈り物に覆いかぶせることができる位の大きさです。しかし、短冊のしは、その名のとおり短冊のような大きさをしています。

このことから、贈り物の右上に貼って使用します。短冊のしは簡易的な形式の「のし」です。しかし、短冊のしを使用してもマナー違反にはなりません。

名入れをする場合|お中元「のし」の書き方は?

お中元の「のし」を書くのに必要な道具

「のし」を書くときは、筆と墨または筆ペンを用意しましょう。毛筆を用意するのが大変であれば、筆ペンを使ってください。それでは、サインペンやフェルトペンを使うと、不適切なのか疑問に思うかもしれません。

最近はサインペンやフェルトペンを使って「のし」を書く人が増えているため、一概にマナー違反とはいえません。たとえば、近親者に送る場合は、サインペンやフェルトペンを使っても、マナー違反とは思われない場合もあります。

しかし、一般的にお中元はフォーマルなイベントにあたります。特に、会社関係の人にお中元を贈る際は、毛筆か筆ペンを使用するのがベストです。

 

表書きと名入れの書き方

表書き(おもてがき)とは、のし紙の水引より上段の部分を指します。表書きを入れるのは、「のし」の隣です。また、献辞(けんじ)と呼ばれることもあります。表書きには、「お中元」または「御中元」と書きましょう。

名入れは表書きの下の部分です。名入れには送り主の名前を書きます。名入れは表書きよりも、少しちいさめに書きましょう。表書きと名入れは、どちらも縦書きです。

名入れ①個人名の場合の書き方

個人名は、送り主が自分の場合です。原則、名入れには筆ペンでフルネームを書きましょう。例外として、目下の人に贈る場合は、名入れは苗字だけでもマナー違反にはなりません。

名入れ②連名の場合の書き方

連名は送り主の名前を並べる書き方です。最大で3人まで名入れに記載することができます。目上の人が一番右側になるように書きましょう。

3人以上の場合は、代表者のフルネームを名入れに書いておきます。名前は太く書いてください。そして、左側に小さめの文字で、「外一同」と書きます。代表者以外の名前は、中包みに書けば問題ありません。ちなみに、名前は下の部分をそろえると綺麗に見えます。

名入れ③夫婦連名の場合の書き方

夫婦連名で名前を書きたい場合は、夫のフルネームを右側に書きます。妻は苗字が同じなので、省略します。妻の名前は、夫の左隣に少し小さい文字で書きましょう。

名入れ③会社名の場合の書き方

会社名を入れる場合は、名前の右上から小さく書きます。手書きを省いた方法では、名刺を貼ることもあります。名刺を貼る場合は、下の段の真ん中に貼りましょう。