昨日まで元気だった親が、突然亡くなってしまうということは少なくありません。その場合、悲しんでばかりもいられず、葬儀準備のために金策に走ることがあるかもしれません。

では、親の死後、報告前に親の口座からお金をおろしたらどうなるのでしょうか。

親の死=相続の発生

親が亡くなった直後に親の口座からお金を勝手に引き出すことは控えましょう。

親が亡くなった瞬間、つまり相続が発生した瞬間から、親の財産を勝手に処分することはできないのです。遺産分割を行うまで、財産はそのままにしておく必要があります。

親の預金を引き出す裏技

実際、葬儀の準備など何かとお金がかかる以上、亡くなった親の預金を引き出せないと不便です。そのため、法律で認められたお金を引き出す制度があります。

制度1.預貯金の仮払い制度

一定の範囲内の額であれば、遺産分割前に預貯金を引き出すことができる制度です。亡くなってすぐに医療機関や葬儀社にまとまったお金を払いたい場合、「相続開始時の預貯金残高×1/3×法定相続分」(上限1金融機関あたり150万円)まで引き出すことが可能です。

この制度を使うためには、直接取引があった金融機関への確認が必要です。問い合わせてみてください。

制度2.預貯金債権の仮分割の仮処分

預貯金の仮払い制度を使っても足りない場合は、裁判所に「預貯金債権の仮分割の仮処分」を認めてもらうことも視野に入れましょう。