日本庭園「慶沢園」(※2025年春まで工事中)と茶臼山で過ごす
慶沢園(けいたくえん)は、天王寺公園内にある、日本庭園です。大正15年(1926年)に、豪商の住友家から大阪市に寄贈されたもので、京都の平安神宮神苑や円山公園といった庭園を手掛けた、七代目小川治兵衛によって施工されました。現在は一般に公開されています。
庭園は、大きな池が中央にあり、周囲をぐるっと巡る園路がある「林泉回遊式」となっています。池のまわりを歩くと、大阪の市街地とは思えないほど静かで、小鳥のさえずりも聞こえてきます。
秋には美しい紅葉も楽しめます。比較的温暖な場所ですが、色付きも山間部の寺院などと比べても、さほど劣っていないでしょう。多くの人が行き交う街で、静かに紅葉が楽しめる穴場的なスポットです。
筆者が訪れた際には、紅葉とともにツワブキの黄色い花も楽しめました。なお、慶沢園はリニューアル工事中のため、2024年5月現在休園中です。再オープンは2025年春の予定となっていますので、それまで楽しみにお待ちください。
慶沢園の北側には、河底池(かわぞこいけ)と呼ばれる池があります。諸説ありますが、現在は天王寺より南を流れている大和川を付け替えようとした際の工事の名残とも言われています。
中央に橋が架かっており、このあたりから西の方を眺めると、大阪のシンボルとして親しまれている展望塔の通天閣(つうてんかく)が見えます。
池の北側には、小高い丘があります。茶臼山(ちゃうすやま)と呼ばれており、大坂冬の陣では徳川家康、大坂夏の陣では、真田幸村の本陣が置かれ、「茶臼山の戦い」の舞台になったとされています。こちらには階段があり、山頂まで登ることもできます。標高は26メートルと、非常に低い山です。
都会の中にある歴史ある寺院「四天王寺」を参拝
天王寺駅の北側にある四天王寺(してんのうじ)は、推古元年(593年)に創建された、歴史のある寺院です。聖徳太子によって開かれたとされ、日本仏法最初の官寺となっています。
西の通りに西大門が建っています。極楽浄土へ通じているため、極楽門とも呼ばれています。創建当初からありましたが、現在のものは昭和35年に再建されました。
門の柱には、転法輪という車輪のようなものがあります。参拝者がこれを時計回りに回転させると、心身が清められるそうです。
門をくぐると、創建当初からの伽藍が残ります。正面に西重門、左に五重塔、右に金堂が並ぶ景観は、とても美しいです。拝観料が必要ですが、内部を見学することができます。
境内では、春に早咲きの桜が見られるなど、都会に居ながら落ち着いたひと時を過ごすことができます。本坊にある庭園「極楽浄土の庭」などを散策してみても良いでしょう。
なお、JR・地下鉄天王寺駅から四天王寺へは、徒歩で10分から15分程度かかります。近鉄バスがお寺のそばを経由する路線を運行しているので、こちらを利用すれば便利です。鉄道の最寄り駅は、地下鉄谷町線「四天王寺前夕陽ヶ丘駅」です。