ポーラ・オルビスホールディングスで化粧文化に関する研究活動を行うポーラ文化研究所は、東京都港区南青山に移転し、5月に「化粧文化ギャラリー」を新たに開設した。

化粧文化に関する貴重な資料や情報を発信

ポーラ文化研究所は、化粧文化の学術的な探求を目的に、1976年に設立。以来、化粧を「人々の営みの中で培われてきた大切な文化である」と捉え、化粧文化に関わる収集保存・調査研究・公開普及に取り組んできた。

古代から現代まで、化粧道具や装身具、絵画資料、文献など約6,500点のコレクションを持ち、「トルクメンの装身具」「コックス・コレクション」など世界的に稀少性の高い資料も所蔵。

現代調査分野においては、1978年から化粧・美意識に関する調査を実施、公開しており、2007年からはデータの一部を東京大学SSJデータアーカイブに寄託している。さらに、国内外の美術館博物館への展示協力も行っており、2020年にはパリ日本文化会館と「美の秘密」展を共催した。

研究で得た知見を2つのエリアで紹介


そんなポーラ文化研究所がこのたび、南青山に移転するにあたり「化粧文化ギャラリー」を新設。「美容・化粧・よそおい」の観点から蓄積してきたコレクションと研究知見をArtとBooks、2つのエリアで紹介している。


Artコーナーでは、化粧道具や装身具、浮世絵、ファッションプレートなどを展示。


Booksコーナーではテーマから連想を広げた切り口で、おすすめの書籍を掲示する。

オープニング企画は「はじまりの美学」とし、さまざまな「はじまり」を紐解いていく。5月16日(木)~8月30日(金)の第1期は「化粧文化研究のはじまり」をテーマに、同研究所の創設期に収集した婚礼化粧道具や浮世絵などを展示予定だ。


また、以前からオンラインとリアルで実施しているレファレンスサービスも継続。個人や企業、団体を問わず、社会からの化粧文化に関わる質問や相談に答えてくれる。

開室は週2日で、木曜日はギャラリートークやワークショップ、レファレンスなど予約制プログラムを実施。

金曜日は予約不要のフリー開室日として気軽に利用することができる。

オープニング記念 一般向けイベントを開催

「化粧文化ギャラリー」オープンを記念し、トークイベント「女性像から読みとく化粧文化」を6月22日(土)に開催。

浮世絵などに描かれた女性像を読みときながら、化粧行動や化粧観、美意識の変遷を紹介し、そこから見えてくる今日的な化粧の意味を考えていく。


トーク終了後に、結髪雛形の展示や江戸時代の白粉(おしろい)体験なども予定している。

「女性像から読みとく化粧文化」は事前申し込み制で、定員は先着100人。5月10日(金)より公式サイトにて受付を開始する。