塩瀬の餡に対する思い


創業670年余りの日本を代表する老舗・塩瀬初代の林浄因氏は、京都建仁寺35世龍山徳見の中国留学帰国に伴い1349年に中国より来日。

中国では肉の入った饅頭づくりが得意だった浄因氏は、肉が食べられない僧侶の為に小豆を甘葛煎(あまづらせん)という植物から抽出した甘味で煮詰め、日本で初めて甘い小豆餡と饅頭を創作した。

当時としては画期的な浄因氏の饅頭は、寺院に集う上流階級の人々の心を次々と射止め、やがて龍山禅師の仲介によって宮中に献上するほど評判に。足利義政公からは「日本第一番饅頭所」と称され、織田信長公、豊臣秀吉公、徳川家康公など歴代の将軍に愛されてきた。

江戸時代には江戸で一番のお菓子として、当時のガイドブックに登場。人々が争って買う描写が掲載されている。

様々な時代を超え、様々な思いを餡に込めて、ある時はおやつ、ある時は献上品、名物として、時代によって塩瀬の和菓子はその形を変え、人の目と舌を通じ、なによりも人の心を和ませたいと、挑戦をし続けている。

「バタどらケーキ」のクランベリー味で、至福のティータイムを楽しんでみては。

■塩瀬総本家
住所:東京都中央区明石町7-14
ブランドサイト:https://www.shiose.co.jp
オンラインショップ:https://www.shiose.co.jp/pages/onlineshop

(丸本チャ子)