■露は払われたのか

 このドラマは一見して、赤楚衛二というポップな俳優を“本格”として覚醒させようという意図をもって生まれてきたように感じられます。今のトライストーンにそんな企画をゴリ押しで実現する力があるとも思えませんが、この『Re:リベンジ』が赤楚くんにとっての大きなチャレンジ企画であることは間違いないでしょう。重厚な劇伴、撮影は片光・逆光のオンパレード、脚本的にも赤楚くんにはこれまでにない圧のかかったシチュエーションが用意されています。

 今回の第4話は、第2章とされていました。第1章は、そうした“本格”の雰囲気を醸し出す作業に重点が置かれ、それはおおむね成功していたように思えます。

 笹野高史、余貴美子、梶原善といった特濃マスター俳優たちの顔面アップ連発は迫力がありましたし、だからこそ錦戸亮のクールな異彩も際立っていた。ラーメンに例えれば、ベテランたちから抽出したドロドロのスープに、錦戸というパクチーが浮いているような、かなりクセの強い作品となっていました。麺である赤楚くんは彼らに食われまくってたわけですが、ここまではまだ寸胴の中だったわけです。

 余貴美子と梶原善が取り除かれ、小分けの器に赤楚くん麺。そこに、3話までで抽出された濃厚スープと笹野高史というチャーシュー、それに錦戸パクチーが乗ってテーブルに運ばれてきた。パクチーvs麺のタイマン勝負が始まった。第4話は、そういう状況です。

 要するに余貴美子と梶原善は赤楚くんを映えさせるための露払いとして登場していたわけで、ずいぶん贅沢な作りではありますが、やっぱりさみしさが募るんですね。魑魅魍魎うごめく妖怪屋敷として描かれてきた天堂記念病院が、風景として明らかにスケールダウンしている。浄化されている。そこに飛び込んでいく赤楚くんにとってのハードルが低くなったように見える。

 露を払うのは、少し早かったんじゃないのかというのが正直な印象です。笹野の奮闘に期待したい。