莉桜に涼香殺しの疑いが浮上したところで、何も知らない悠依が莉桜と連絡が取れたため会いに行くと報告、直木と魚住が悠依のもとに急ぐ……という第2話ラストの続きからとなった第3話。結局、待ち合わせのカフェに莉桜は現れず、直木と魚住はひとまず悠依の身に何もなかったことに安堵する。魚住は、涼香が殺害された事件に直木が関わっている可能性を悠依に明かし、悠依に防犯カメラ映像を確認してもらう。しかし直木以外、見覚えのある人物は映っていなかった。
悠依は直木が疑われていることにショックを受けつつも、「僕らに見えている直木さんが彼の全てではないでしょうから」という魚住の言葉に、自分が直木の家族のことなどを把握しておらず、よく知らないかもしれないと思い至る。そして直木のことをもっと知りたいという思いとともに、改めて真相を突き止めたいとの決意を胸にするのだった。
魚住の“通訳”がないと幽霊の直木が何を言っているかわからず、「『はい』とか『いいえ』だけでも直木とコミュニケーションが取れたらいいんですけど」とこぼした悠依の言葉を受けて、直木は、以前自分に声をかけてきた先輩幽霊の樋口昌通(板倉俊之)にアドバイスを求める。樋口は、幽霊は物に触れないが、動かすことはできると説明し、そういった「幽霊しぐさ」の一つとして息で貼り紙を揺らすことができることを教える。壁のすり抜けはすぐにできたが、貼り紙を揺らすことはなかなかできない直木を、樋口は励ます。
一方、先浜警察署では、殺された涼香の携帯の通話履歴の中に頻繁に連絡を取っていた2つの番号があり、そのうちのひとつが直木の番号だったことから、直木の関与は決定的とみなされ、直木の家族や関係者を調べる方針に。魚住は直木の父親・鳥野幸彦(相島一之)に話を聞くことになった。長男の直木が行方不明で、しかも殺人事件の関与の疑いがあると聞かされても特に反応を見せない幸彦は、20年ほど会っていない直木とは幼い頃から関係がうまくいっておらず、特に歳の離れた弟が生まれてからは「最悪だった」と淡々と振り返る。「本音を言います。直木と離れられて私はホッとした。今後もお互い関わらずに済むなら、そうしたい。行方不明と聞いても、それならそれでと思ってしまう」と、まるで関心のない様子。魚住は直木の立場が悪くなる一方なのを案じてか、先輩刑事の田島宏一(小路勇介)に、自分は直木の幽霊が見えていること、幽霊の直木から事件当日は涼香には会えなかったと聞いていることを正直に話すが、当然信じてもらえない。