◆醸し出されるリアルな“残念感”が愛おしい

この物語の面白さはとにかく、赤楚演じる向井くんのキャラにかかっています。完璧な“いい男”となっても、相手をときめかせ過ぎても、かといって相手に嫌われ過ぎても、痛い男になり過ぎても物語が成立しなくなってしまうのです。しかし赤楚は、求められている絶妙なラインの“いい男”を見事に演じています。

第1話では、職場の後輩・中谷(田辺桃子)に好意を寄せられていると勘違い。前回の第2話では、元気の店でアルバイトするアン(久間田琳加)に突然キスをされ「さすがに今度は勘違いではない!」と浮かれました。積極的なアンにキスをせがまれ、戸惑いながらキスしようとする仕草にキュンとさせられた女性も多いはず!

一方、「2分だけギュッてして」とアンに抱きつかれた際は、帰りたい気持ちからなんともいえない表情で2分をカウント。物凄い残念感が漂っていました。赤楚のリアルな表現が秀逸で、ちゃんとかっこいいのに、ちゃんと残念。どうしても憎めないキャラの向井くんを応援せずにはいられません。