◆然るべき山田物語
ファンだけでなく制作サイドまでが、こうもがっちり魅了されてしまうだけの人なのだ。金子へのインタビュー時にじんわりきたものが、交際報道、そして結婚発表を経た今、改めて振り返れば、さらにじわりとくる。
金子の代表作『恋はつづくよどこまでも』(TBS、2020年)にちなんで、(山田裕貴への)恋はつづくよどこまでも……と注釈を入れたくもなる。
あるいは、映画脚本デビュー作『電車男』(2005年)の主演俳優の名字が「山田」(山田孝之)であり、『ペンディングトレイン』もまた電車が主要モチーフだったことから自由な連想がつながる。
然るべき山田物語がつむがれ、語られ続ける。ひとつの作品の枠を超え、ひとりの俳優がこういう豊かな類似(連想)を可能にしてくれる。シビれる。山田裕貴、次はどうやってシビれさせてくれる?
<文/加賀谷健>
【加賀谷健】
音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu