◆黒づくめの男の正体は? 最後まで考察を楽しめそう

 もう1つの謎は<まことが階段から落ちるキッカケを作った犯人が誰なのか>ということ。そして、この謎に付随して、まことが追いかけられていた理由も気になるところ。2話ラストでは、青山剛昌の漫画『名探偵コナン』(小学館刊)に登場する犯人のように、全身真っ黒の服装に身を包んだ公太郎(瀬戸)が、まことが落下したと思われる階段に姿を見せた。ここで「公太郎=犯人」と決めつけることは浅はかでしかないが、なぜそこに足を運んだのかは不気味だ。犯人の正体に関する考察は最後まで楽しむことができそうだ。

 ちなみに「公太郎が“犯行現場”に訪れて放送が終了する」という見せ方から察するに、今後も伏線やミスリードを大量に散りばめたりなど、視聴者をワクワクさせる仕掛けを多く用意してくれるように思う。実際、すでに「なぜ律(宮世)は偽装工作してまで、まことと接点を持とうとしたのか」「まことの母親の名前が加藤百合子だったが、なぜまことの苗字である緒方ではないのか」など、現在かなりの気になるポイントが散見される。

 基本的にはポップな内容ではあるが、話数が進むにつれて徐々にシリアスになっていくのだろうか。謎だけではなく、作中の雰囲気も楽しみたくなるドラマだ。

<文/望月悠木>

【望月悠木】

フリーライター。主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki