◆記憶喪失しているからこその「羨ましい職探し」

 1話では、勤務先の「モンドビバレッジ」に出社して、以前の自分がどういう人間だったのかを必死に模索するまこと。同僚と接する中で以前の自分は、本音を隠して表面的なコミュニケーションしかとっておらず、同じ部署の派遣社員・松永(菊池亜希子)に仕事を押し付けることが珍しくなかったことを知る。過去の自分に絶望したまことは退職を決意して、自分が好きになれる仕事を目指して転職活動を始める。

 2話では、記憶喪失になったために自分自身の得意不得意がわからず、転職活動が上手くいかずに落胆。それでも、過去ではなく今の自分自身と向き合い、「自分が働きたい」と心から思える仕事として、リングショップ「gram」で指輪職人を目指すことを決めた。一度就職すると「自分にはどのような経歴やスキルがあるのか?」という“自己分析”が必ず介入してしまい、「自分がやりたい仕事は?」ということを純粋に考えられなくなる。

 まことは記憶がないことで転職活動で苦戦していたが、むしろ記憶がないからこそ純粋な気持ちで仕事を探しており、その姿は眩しくどこか羨ましさを覚えた。キャリアの棚卸しのやり方、大人になってからの自分らしく働ける仕事の探し方を学べる“お仕事ドラマ”としても楽しむことができそうだ。