◆抗がん剤は再発率をゼロにするわけではない

 初発のがんは、徹底的に叩いておくほうが再発防止につながるという考え方から、抗がん剤を使用するそうです。雑草に例えると雑草に申し訳ないですが、たとえば全身に除草剤を撒くイメージで、がん細胞を根絶やしにする作戦。

 除草剤を撒いてもどこからかメリメリと生えてくる雑草もあるけれど、除草剤を撒いておいたほうがその確率が減るだろう、という話。主治医の先生から話を聞いて、そんなふうにイメージしました。

 ただし、抗がん剤で再発率がゼロでになるわけではありません。その再発率を多いとみるか少ないとみるかはその人次第。わたしはそこの判断がつかなかったので、先生に意見を聞きました。

 医学の世界では、過去の膨大な臨床試験や治験の結果から「抗がん剤はがんに有効である」という見解になるそう。

 先生の意見は、わたしのがんのタイプがホルモン治療など他の治療法が効かないこと、まだ40代で体力的に抗がん剤に耐えられるであろうこと、再発の可能性をできるだけ下げておきたいことから「強くすすめる」とのこと。

 半年にも及ぶ治療、強い薬を体に入れる恐怖、副作用の不安などを考えると躊躇はしますが、信頼する執刀医の先生がこれだけ強くすすめるのなら、わたしもそれに従おうと決めました。もちろん、抗がん剤を拒否しても強制されることはありません。

 この後は、乳腺外科を離れて、抗がん剤を専門に扱う腫瘍内科にお世話になるそうです。