◆『極限夫婦』モラハラ男の実態

 かつての推しが、あるとき不意に目の前に現れたとき、これは正直、反応に困ってしまう。特に平岡の場合、何もなかったような顔して、ヒョイッと軽妙に自然体で画面上に出現するものだから、こちらは拍子抜けする。

 このヒョイッと感は、彼の演技の基本として、昔も今もどうやら変わっていないよう。推し活以来、久しぶりに見た平岡祐太の出現は、夫婦関係の倦怠ムードの最中。『極限夫婦』というドラマタイトルからして、穏やかじゃない。

 平岡が演じるのは、とんでもないモラハラ夫・北斗達也。大学の後輩である北斗亜紀(北乃きい)との再会を経て、結婚する。現在の夫婦生活の倦怠にいたるまでの、そもそもの話。達也に違和感を抱いていた亜紀視点から、このモラハラ男の実態が解剖されていく。