先進国最低レベルと言われる日本の最低賃金。「生活保護費」よりも低いケースもあるようです。詳細を確認してみましょう。

2021年10月時点の最低賃金の最高額と最低額

まず、令和3(2021)年の最低賃金最高額と最低額(時給換算)をご覧ください。

最高額:1,041円(東京都)
最低額:820円(高知県・沖縄県)

確かに最高額でも他の先進国より金額が低い印象です。

生活保護費は市町村により異なる

生活保護費は少々複雑ですが、下記のように8つの「扶助」があります。

給付額の大半を占めるのが生活扶助と住宅扶助ですが、その金額は市町村によって異なります。例えば、住宅扶助の上限額は、3万円台前半から6万円台後半となっています。生活扶助の金額は世帯人数や後述する「加算」によって大きく変わるため、そのことも考慮に入れる必要があります。

生活保護費が最低賃金を上回る可能性があるのは子育て世帯

一定の条件を満たす人が対象となる「加算」は複数ありますが、多くの世帯が対象となるのが「児童養育加算」と「母子加算」です。

18歳以上の子どもがいる世帯が対象となる児童養育加算は、子ども1人あたり1万190円です。また、一定の条件を満たす子育て世帯が対象の「経過的加算」や「母子加算」もあります。

そのことから、「生活保護費が最低賃金を上回る可能性があるのは子育て世帯」との仮説が立てられます。