◆自撮りに夢中のあざとい女子

 ようやく食事にありつけた同好会メンバー。K子さんもまるでけががなかったかのように振る舞っていたそうです。しかし食事が終わり後片付けに入ると、K子さんはけがを理由に男子たちと歓談しだしたそうです。

「また仕方なく一人で洗い物をしていると、今度はさすがに同僚男性が何人か気づいてくれて、手伝いにきました。するとそれにつられて最後までK子さんと夢中で会話していた同僚男性も場の空気を読み手伝いに来たんです」

 すると、K子さんは洗い場から丸見えとも知らず、一人炎をバッグに工夫を凝らしながら自撮りを再開しました。おまけに、さっきまで痛そうにしていた手で自撮りスタンドをしっかりと握る始末。さすがにその様子を見て、佐智子さんだけでなく男性陣も引いていたといいます。

◆翌朝K子さんの姿が消えていた

 後片付けが終わり再び火を囲んだ面々でしたが、先ほどとは一転してK子さんが一人浮いた状態になっていたそうです。片付け前までのノリは男性陣にはすでになく、むしろ佐智子さんとの会話がはずんでいました。するとさすがに場の雰囲気を察したのか、K子さんにはさきほどまでの元気さはなかったといいます。

翌朝K子さんの姿が消えていた
 その後テントで一泊し翌朝気がつくとK子さんの姿はなかったそうです。そして代わりに「用事を思い出したので先に帰ります」と置き手紙があったそうです。

「さすがに心配になったので電話してLINEも送ってみたんですが、向こうからの反応は一切ありませんでした。翌週出社しても、そこにK子さんの姿はありませんでした」

 その数日後、佐智子さんはK子さんの行方を上司に確認したそうです。すると、K子さんの代理人から退職届が出されていたことがわかったそうです。

―シリーズ「レジャー・アウトドアでゲンナリした話」―

<文/大杉沙樹 イラスト/zzz(ズズズ)@zzz_illust>

【大杉沙樹】

わんぱく2児の母親というお仕事と、ライターを掛け持ちするアラフォー女子。昨今の情勢でアジアに単身赴任中の夫は帰国できず。家族団欒夢見てがんばってます。