笑福亭鶴瓶さんと読売テレビ放送の「鶴瓶・上岡パペポTV」に11年間出演していました。当時の超人気番組で、大阪城にて1万人規模の特番もありました。その番組の最後の放送が、ゲストに島田紳助さん、明石家さんまさん等が出演し、今までのテレビ番組ではないくらいの爆笑に次ぐ爆笑が起こり神回とされました。これは上岡さんへのリスペクトでもあり、自分もこれだけ喋れるという部分や、認めてほしいという欲求からのものなのかと思わされました。トークのスペシャリストにトークで挑んだ、さんまさん、紳助さんは後に大御所芸能人となりますが、覚悟と度胸と話術はお笑い史の1ページにしっかり刻み込まれたと思います。
上岡龍太郎さんのトークにはディテールの細かさがあり、笑いに誘われるまでのストローク振りの部分から聞き入ってしまいます。振りを聞き入るという事はオチがよりはっきりし、爆笑が生まれやすい話術が凄かったです。
日本テレビ系列「いろもん」にゲストで出演した時は、芸能界を引退する理由を「命がそこまで長くないから」と丁寧に説明し、全員が信じた頃に嘘と明かし、開場を笑いの渦に変えたこともありました。
1人だけでテレビに出て、テレビについて喋るという特番もありました。上岡さん以外では成し遂げられないんじゃないかという話術の数々、一見お笑い芸人には全く見えないスーツで白髪交じりの男という何者か分からない出で立ちも魅力の一つでした。知らない人が見たら、あれだけはっきりした滑舌で軽快に言葉が言えるのなら名物アナウンサーかと思っていた人も少なくないと思います。