多様性を認めていく社会情勢の中、“人を傷つけない笑い”が2020年前後から地上波テレビで増加。一方、昨年の『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)で、毒舌漫才のウエストランドが優勝するなど、“人を傷つけない笑い”に対するカウンターのような動きもある。マツコはこの議論のはるか前から地上波で毒舌を繰り広げていたが、その魅力が伝わりづらくなっているというのだ。

「もはや、強者が弱者をイジるような笑いはNG。ウエストランドのように、弱者が周囲に噛みつくタイプの毒舌じゃないと、成立しにくくなっているのは確かです。マツコは、もはや大御所の域に達しているので、どうしても弱者をイジる構図になってしまうわけで、そこが難しい。

 たとえば『週刊さんまとマツコ』(TBS系)であれば、マツコさんが毒を吐いても、さんまさんがバランスをとることができる。でも、『マツコ会議』の場合、マツコさん以外の出演者は基本的にスタッフなので、マツコさん1人が毒を吐く形に。そうなると、面白くできるはずのものでも、そうではなくなってしまうんです」(制作会社スタッフ)

 マツコと同じく“毒舌”でバラエティ界の天下にのぼり詰めたのが有吉弘行だ。しかし、昨今の有吉は必ずしも毒舌キャラではない。