◆坂本龍一氏が2001年刊行の対談本で語っていた「ダウンタウン理論」

『永遠の仔』のベストセラーで知られる作家の天童荒太氏との対談本『少年とアフリカ 音楽と物語、いのちと暴力をめぐる対話』(文藝春秋刊 2001年)での、2000年代前半の殺伐としていた日本社会の空気に関するやり取りです。

坂本龍一 天童荒太『少年とアフリカ 音楽と物語、いのちと暴力をめぐる対話』文藝春秋
坂本龍一 天童荒太『少年とアフリカ 音楽と物語、いのちと暴力をめぐる対話』文藝春秋
 まず天童氏が、電車内で少し肩がぶつかっただけで暴力沙汰に発展しそうな“秩序の崩壊”を指摘。この感覚を共有していた坂本氏が、理由のひとつとして挙げたのがダウンタウンなのです。

<僕には、ダウンタウン理論というのがあるんですよ。(中略)ダウンタウン前とダウンタウン後で日本人の心は大きく変わった。>(『少年とアフリカ 音楽と物語、いのちと暴力をめぐる対話』p.117より。以下山カッコは同書より引用)