優秀作品賞に選ばれなかった理由としては、昨年「Habit」でSEKAI NO OWARIが大賞を受賞し、今年もimaseやAdo、Mrs. GREEN APPLEらがノミネートされるなど、ユニバーサルミュージック系のアーティストが急激に優遇されていることが影響しているのではとの見方がある。YOASOBIが所属するソニーミュージック系列は『レコ大』との縁が深かったのだが、2020年にLiSAが「炎」で大賞を受賞したのを最後に関係が冷え込んだとの声が業界内であるようだ。そのため、一部では「ユニバーサル系アーティストの受賞が決まっているのでは」と疑われ、もし今年最大のヒット曲である「アイドル」をノミネートすれば大賞に選ばないと不自然なため、優秀作品賞から除外したのではと指摘されているようだ。

 また、YOASOBIは民放の音楽番組にほとんど出演したことがなく、もし大賞を受賞しても「本人たちは会場に来ない」ということになりかねない。過去には、1994年に大賞を受賞したMr.Childrenが海外でのPV撮影を理由に『レコ大』を欠席したといった前例はあるが、さすがに本人不在だとシラケてしまう。それもYOASOBIがノミネートされなかった理由の一つではないかと推測されている。

 いずれにしても、ノミネートされなかった理由は「大人の事情」が深く絡んでいそうな気配。そうなると、何を基準にした何のための賞なのかと疑問を抱く人が今まで以上に増えそうだ。かねてから『レコ大』は権威の失墜によって廃止論が取りざたされていたが、今回の不可解な優秀作品賞の選考がその決定打となるかもしれない。