◆イメチェンに成功。だが急激さは過去からの反動のよう

 コーチェラ、iTunesへのランクインという結果からも、徹底的なイメージチェンジは成功したと言えるでしょう。誤解を恐れずに言えば、Number_iの面々もようやく時代に合流できた感覚があるのではないでしょうか。

『Number_i「GOAT」初回生産限定盤B』COOVELITE
『Number_i「GOAT」初回生産限定盤B』COOVELITE
 筆者も「GOAT」には驚かされました。こんな音で来るとは予想もしていませんでした。これはアイドルという枠組みでは語れない音楽だと感じました。

 けれども、同時に引っかかるところもありました。「GOAT」での表現が、段階的な成長ではなく、過去からの反動として急激にあらわれているように感じるからです。

 それは、「GOAT」のクオリティに問題があるという意味ではありません。むしろ、高すぎるクオリティ、隙のない洗練に、“変えなければ”という強迫観念めいたものが聞こえるのですね。