◆可能性を自ら打ち切らない

受注
――2016年5月に東京のビッグサイトの展示会で1袋650円の乳酸菌入りのビューティー・キャンディーを10万袋(6,500万円分)受注をしたとのことですが、このような偉業を達成できたのはなぜだと思いますか?

金「売りたい人と、買いたい人がいるわけです。でも『10万袋買うから安くして』と言われても、ほとんどの日本の企業は『そんなに買うわけないでしょ』と思われます。それは弊社も同様で、10万袋買ったらどれくらい値引きができるか社長に交渉したところ『そんなに買うわけない!』と言われてしまいました。

だから、5万袋に減った場合の見積もり、1万袋だった場合などを想定して、最低限のラインと、守りたいラインを社長に教えてもらいました。それをもとに自分で調整し、中国の会社と売買合意がとれているのに、それでも社長は『騙されている!』と言って信じてくれませんでした。その時点で在庫があった訳ではないので、発注して用意するのに3ヶ月かかるが、その間にキャンセルが出たらどうするのかと社長に言われました。だから『だったら前金で貰えばいいじゃないですか』と提案しました。それでも『そんなの貰えるわけないんだろう』と言われました」

――でも結局、契約は成立したのですよね?

金「はい。結局、すぐに契約ができて、前金もいただけて、取引が成立したのです。先入観が可能性を打ち切り、チャレンジをさまたげます。最低限のリスクは回避しているのに、やらない理由はありません。自社のものの良さに自信を持っていたので、『10万袋ほしい』と言われたときにも納得して契約を進めることができたのです」