それでも拭えない月9の“不安要素”
昨年10月期の日本テレビ系『セクシー田中さん』では、原作を大きく改変された脚本が用意されたことに原作者の芦原妃名子さんが不信感を抱き、ラスト2話の脚本を芦原さん自身が担当。一連の経緯を発表した後に、芦原さんが亡くなるという出来事があった。テレビ局側としても、原作の扱いにはこれまで以上に誠実かつ慎重にしなくてはならない現状のなか、さまざまなリスクを伴う小説・漫画原作ではなく、よりライトに扱える“名曲モチーフ”に向いていくのも自然な流れなのかもしれない。
なお、8日に放送された『366日』第1話では、12年越しの交際に発展した明日香と遥斗だが、最初のデートの直前に遥斗が大怪我を負って救急車で運ばれてしまう。『君が心をくれたから』の第1話でも太陽が交通事故で大怪我を負う展開があり、2作続いて同じような第1話となった。まさに、現在の月9が進もうとしている路線を確定させるかのような『366日』の第1話だったが、『君が心をくれたから』は視聴率も評価もイマイチだったことを考えると、『366日』についても少々不安が残る滑り出しとも言えるだろう。
いずれにしろ、2作連続の“『First Love 初恋』インスパイア”となった月9。『366日』の評価によってあっという間に軌道修正される可能性もあるが、少なくとも『366日』が今後の月9の方向性を左右する、重要な作品となるのは間違いなさそうだ。