結婚祝いや出産祝いなど社会人になるとお祝いの席に呼ばれることが多くなるものです。その際に欠かせないのがお祝いのお金を包むご祝儀。しかし金額やご祝儀袋の選び方などをきちんと把握している人は少ないのではないでしょうか。おめでたい席で恥をかいたり、相手に不快な思いをさせたりすることがないよう改めて基本をおさらいしておきましょう。
20代のご祝儀の金額は?4つのケース
ご祝儀は頻繁に渡すものはないので、包む金額やマナーについてなかなか把握しにくいものです。ご祝儀は、お祝いを渡す相手との関係性によって金額やご祝儀袋が違ってきます。
1.友人・同僚の場合
20代ならば、ご祝儀は結婚式で包む機会が多いことでしょう。立場が同じくらいの人へのご祝儀の相場は3万円と言われています。ただ20代でも「就職したばかり」「まだ学生」といった場合の3万円はかなりの大金です。
式場の格によっても異なりますが、2万円でOKとする場合もあります。そのときは、2は割り切れる数字で縁起が悪いとされているため「1万円札+5,000円札2枚」と組み合わせましょう。
「そんな細かいことまで必要?」と感じる人もいるかもしれません。しかしそんな些細なことで関係にひびが入ってしまうことも少なからずあるため、できるだけ配慮してあげたほうがよいでしょう。
2.親族の場合
兄弟姉妹へのお祝いは5万円が目安です。相手が兄・姉の場合には額を減らしてもいいでしょう。ご祝儀を少なくする場合は、プレゼントを添えると喜ばれます。
いとこや甥・姪の場合には3万円が相場です。収入に余裕があるのであれば5万円にするといいでしょう。また親族の結婚式には親も一緒に出席することが多いため、前もって金額や地域のしきたりなどを確認しておくと安心です。
3.先輩・上司の場合
上司や先輩にお祝いを包むこともあるでしょう。この場合は3万円が目安です。自分だけ少ない金額を入れていないか不安な場合は、同僚やほかの先輩とこっそり相談してみてもよいでしょう。
4.後輩・部下の場合
20代のうちは3万円を基本として、「かわいがっている後輩へもっとお祝いの気持ちを示したい」という場合は、贈り物をしたり別の日にお祝いの席を設けたりするのもよいでしょう。
結婚式のご祝儀の相場は、一般的に3万円と言われることが多いですがあくまでも目安です。地域などでも大きく異なる場合があるため、分からない場合は参列する人に聞いて同じ金額で合わせることもよいでしょう。
ご祝儀袋は金額によって選ぶ
現在では、いろいろなデザインのご祝儀袋がありますがスタンダードな選び方も覚えておきましょう。
水引(ご祝儀袋にかけられる紅白の帯紐)やのし(ご祝儀袋の右上にある飾り)がプリントされたタイプのご祝儀袋は、主に金額が1万円以下のときに用います。そのため3万円を包むことが多い結婚式のお祝いには不向きです。出産祝いや快気祝い、進学祝いなどに使うといいでしょう。
紙でできた水引・のしがあしらわれているタイプは、2万~3万円を包む際に使用します。最近では水引の形もユニークなものが増えていますが、結婚式のご祝儀は「結び切り」を使うことをお忘れなく!ほどけてしまう「蝶結び」は、「何度あっても良い」という意味があるため、結婚祝いにはNGです。
豪華な装飾があるご祝儀袋は、5万~10万円の高額のお祝いを入れる際に選びます。見た目の華やかさにつられて中身の金額と見合わないご祝儀袋を選ぶことは失礼になるため注意しましょう。
文具店などで売られているご祝儀袋の多くには、そのデザインに合う金額の目安が表記されているので参考にすると安心です。
意外と忘れがちなポイント
ご祝儀袋に記入する際は、黒の筆ペンか筆を使用しましょう。準備できない場合は、サインペンやフェルトペンでもよしとされていますが、ボールペンや万年筆は使ってはいけません。また字を間違わないようメモ帳などで練習をするといいでしょう。
短冊に書く贈り主の名前はフルネームです。短冊がないタイプのご祝儀袋の場合には直接袋に書きます。ご祝儀袋のなかに入っている中袋には、表に漢数字と旧字体で「金 参萬円」と書きます。新郎新婦が中身を確認した際に分かりやすいよう、中袋の裏側には住所と氏名を書き糊付けはしません。
ご祝儀のお金は新札を用意するのがマナーです。結婚式に招待されたら早めに金融機関で両替してもらいましょう。中袋にお札を入れる際は、袋の表側に肖像画が描かれているお札の表が来るようにし、さらに肖像画が封筒の上側になるように入れます。