岐阜県の南東部にあたる「東美濃エリア」は、馬籠宿や中津川宿など、中山道においての拠点であった宿場町が多く残っており、現在は観光スポットとして人気となっている地域です。町と町の間では石畳や山間の景色を楽しむことができ、五平餅や地酒などのご当地グルメも豊富です。今回はそんな東美濃エリアの魅力を紹介します。

歩くだけで日本ならではの風情を楽しめる中山道

中山道は江戸時代に整備された五街道のうちのひとつで、東海道が太平洋寄りの道であることに対して、岐阜や長野などの内陸部を通っています。日本ならではの風情が感じられる昔ながらの道が残っているため、中山道を歩いて楽しむために海外から訪れる旅行者もいるほど。


▲馬籠宿と落合宿の間にある「落合の石畳」

特に美しい石畳の道が印象的なのは「落合の石畳」です。すべてではありませんが、江戸時代に作られたものがそのまま残されている部分もあり、かつてはここを通って多くの人が東京ー京都間を歩いていたことを想像しながら楽しむことができます。

▲山間部ではあるものの、歩いていると景色がどんどん変わります

場所によっては、開けた展望を眺めながら歩けるゾーンも。周辺では最も高いのが2,191mの恵那山(えなさん)ですが、連なる山々を横目に見ながらのハイキングは爽快感抜群です。


▲時間帯によって雰囲気が違うのも中山道の魅力のひとつ

また、思わぬところにシャッターチャンスがあるのも中山道の魅力のひとつ。写真映えする石畳などに加えて、木々の間から見える太陽の光や足下に生えている苔など、自分ならではの好きなポイントを探してみましょう。

それぞれの個性を感じられる宿場町めぐり

中山道を歩く人たちにとって重要だったのが宿場町の存在。東美濃エリアには6つの宿場町が置かれ、現在でもさまざまな見所があります。


▲坂道を中心に多くのお店や宿が軒を連ねている「馬籠宿(まごめじゅく)」

「馬籠宿(まごめじゅく)」は県境に最も近く、長野県側の「妻籠宿(つまごじゅく)」とセットで訪れる海外からの観光客も多い場所。昔ながらの街並みが美しく残されているので、ただ歩き回るだけでも存分に楽しめますし、街並み+山々という景色を見られるのは坂の宿場ならではの魅力です。

▲「落合宿本陣」は外観から歴史を感じます

他にも、多くの宿場町で見逃せないのが「本陣」と呼ばれた場所。「本陣」というのは、公家や大名、幕府の役人など、身分が高い人が利用した格式の高い宿泊施設のことを指しています。すでに建物自体がなくなっている町も多く、中津川市の「落合宿」は岐阜県内で本陣建築が唯一現存している宿場。最も古い部分は築200年以上の歴史を持ち、見応え抜群です。