客観的に見ると、SMILE-UP.はSTARTO社に芸能関係の業務を引き渡して被害補償に専念するとしながら、ファンクラブや楽曲の権利などの大事な収入源はつかんでいるという印象が否めない。この状況について、松谷氏は「現状、STARTOは旧ジャニーズ事務所が事業存続するための〝ダミー会社〟のように見える」と断じた。SMILE-UP.は被害者への補償がすべて終了した後は廃業するとしているが、その時にファンクラブや各種権利関係がどうなるのかは分かっていない。

 タレントの契約も不透明だ。当初は、デビュー済みのタレントはSTARTO社とエージェント契約を結び、研修生扱いのジュニアはSTARTO社の所属になるとも伝えられていた。船出を記念したドームコンサートでは、NEWS、SUPER EIGHT、KAT-TUN、timelesz、King & Prince、SixTONES、Snow Man、なにわ男子ら14組75人が出演するが、彼らの契約がどのような形になっているのかは明かされていない。ドームコンサートへの出演が発表されていないタレントや、デビュー前のジュニアについては扱いがなおさら謎だ。

 グループ活動休止中の嵐は10日にメンバー5人で新会社を設立したと発表したが、これもSTARTO社とどのような関係になっていくのか現時点では不明。ファンからは「何も分からなさすぎて不安」「新会社が何のための会社なのかすらよく分からなくなってきた」といった声が上がり、不信感が高まっているようだ。

 これらの情報を総合すると、STARTO社の本格始動は「問題山積のままの見切り発車なのでは」とも思えてくるが、タレントやファンが納得するような形になることを期待したい。