「魂を揺さぶる奇跡の歌声」ができあがるまで・・
ーーカラムさんの美しい歌声は「魂を揺さぶる奇跡の歌声」と表現されていますよね。昔からそういう声質だったのか、それともこういう歌声になりたいと思って作り上げていったのでしょうか?
もともとこういう声質だったけど、歌うことに対して最初は自信がなかったんだ。もちろん歌えば音程通りに、タイミング通りに歌えることはわかってた。学生時代からドラムをやっていたからタイミングに関しては自信があったし、音楽ってものはわかってるつもりだったんだけれど、歌うというのはものすごくパーソナルな楽器だから、1人1人その楽器の音が違うし、変えられるものじゃない。
だから僕は自分の声の可能性に気がついてから本気で練習に時間を費やしたんだ。ベッドルームで歌い始めることからスタートして、自分の声がどうあるべきかを考え始めた。そして、ロビンの「Dancing On My Own」の美しいピアノバージョンに出会ったことで、自分の歌い方、歌声が形作られていったような気がするんだ。
そして僕はやっぱりバラードが好きなんだなと。母親がホイットニー・ヒューストン、マイケル・ジャクソン、エルトン・ジョン、ジョージ・マイケルが好きだったから、その影響があるのかもしれない。ソウルフルなバラードが僕の心の求める歌なんだなっていうことがわかっていって、あとは声をどんどん鍛えてより強く完ぺきにしようとしているんだ。
だからこれからも自分の声を磨き続けるだろうね。この前見たセリーヌ・ディオンの動画で、セリーヌがいまだにボイスチューター(ボイストレーニングの講師)をつけてレッスンしてると言っていたんだ。それがすべてを物語っていると思う。あのセリーヌ・ディオンでもまだレッスンをしているんだから、まだまだ僕もがんばらなければいけないと感じさせられたよ。
カラムが求める音楽
ーーデビュー・アルバム「Only Human」は、21の国と地域 で iTunes アルバム・チャート1位を獲得、総再生数は 75 億 回を超える大ヒットを記録しました。この反響を受けいかがでしたか?
とんでもない数字だよね!75億回なんて僕の理解を超える数字だよ。「ブリテンズ・ゴット・タレント」よりもずっと前のキャリアが始まる前、YouTubeに自分バージョンの「Dancing On My Own」を投稿したんだ。その時に1000回再生突破して、僕はもう、わお!シャンパンだ、乾杯だ、お祝いだ!ってなって、それが75億回だよ。本当にクレイジー。光栄に思っているよ。
ただ、あの曲はロビンの曲だったから、それ以降、自分の曲を出していく中でああいう風に時の試練に耐える、ずっと残っていく曲を作りたいと思ったんだ。「You Are The Reason」のような曲を書いた時、自分がやりたいことはこれなんだと再確認することができた。これこそ僕が残りの人生ずっとやっていきたいことなんだ。
「いつも自分自身の経験を音楽の中に入れている」
ーー今年1月には壮大なスケールのラブ・ソングとなる新曲 「Lighthouse」をリリースしました。この曲に込めた想い を教えてください。
「Lighthouse」はこれから出る3枚目のアルバムからのセカンド・シングルなんだ。アンセムのようで力強い、だけど歌うのがすごくむずかしい曲なんだ。でもそういうチャレンジをも僕は楽しんでいるよ。
この曲は、家族や故郷を恋しく思う気持ちを込めた曲なんだ。この曲を書いているとき、僕は友だちや家族から長い時間離れていて、恋しく思っていたからね。いつも僕は自分自身の経験を音楽の中に入れることで、よりホンモノらしく、そして自分の一部を音楽に込めることができるんだ。そしてソングライターとして、自分がどれだけ彼らを愛しているか、彼らのために何をしてあげられるかを詩的に表現したかったんだ。
灯台が故郷の場所を思い出させてくれるのと同じようにね。それは道標であり、遠くにある光、そしてそれが僕にとっての友だちや家族なんだよ。この曲が出た1月は、故郷のイギリスを3ヶ月離れてエド・シーランのツアーに出るタイミングだったから、毎晩ツアーで「Lighthouse」を歌うことはとてもステキなことだよ。一番恋しい人たちである友だちや家族と僕をつないでくれるからね。
日本のファンへのメッセージ
ーー最後に日本のファンへのメッセージをお願いします。
みなさんこんにちは、カラム・スコットです。この数年間、僕を支えてくれて、たくさんの愛情を注いでくれているみなさん、心からアリガトウゴザイマスと伝えたいです。本当に心から感謝しています。
そして、その感謝の気持ちを返す唯一の方法は、何度も何度も日本に来て、新しい音楽、新しいショーを提供し続けることです。僕のキャリアの残りのあいだ、皆さんとすばらしい関係を築いていきたいです。