3回目の優勝だけでもじゅうぶんに異例だが、今回は同時間帯にフジテレビで『新しいカギ』のレギュラー放送もあり、完全なる「裏かぶり」となっていた。『新しいカギ』は今年の『27時間テレビ』総合MCを担当するなど、現在のフジテレビの“顔”ともいえる番組である。そのメインキャストがTBSの特番に同時に出演することもまた、極めて異例である。粗品は放送前にX(旧Twitter)で「オールスター感謝祭も新しいカギもどっちも見て下さい」とポストしているが、吉本興業とフジテレビの間で相当な折衝があったことは想像に難くない。

 粗品の登場で、『感謝祭』は大きく形を変えた。今回は業界の不文律である「裏かぶり」問題も軽々と乗り越えて見せた。

 今の粗品は、まるで芸能界をひとつずつハックしていっているように見える。どんな未来が見えているのだろうか。その『新しいカギ』は、粗品の手の中にあるのかもしれない。

(文=新越谷ノリヲ)