この『感謝祭』における粗品の活躍は、決して偶然ではない。21年秋の『感謝祭』で3位に入ったことで火が付いた粗品は、以降『感謝祭』で優勝を狙うと公言。続く22年春に初優勝を果たすと、さらに『感謝祭』への思いがヒートアップし、パーソナリティをつとめるラジオ『霜降り明星のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)では毎回のように「感謝祭のオファーはまだか」とマネジャーを問い詰めたり、『感謝祭』を模したコーナーを立ち上げて対策を練るなど、芸能界一の『感謝祭』フリークとなっていった。
そもそも『感謝祭』はTBSの番組をPRするために各番組の出演者や有名スポーツ選手を呼んで盛り上げる“お祭り”番組であり、出演者が本気で優勝を狙うような性質の番組ではなかった。
だが、粗品の「『感謝祭』をガチで勝ちにいく」という姿勢は周囲を触発し、粗品が初優勝した22年春の次の22年秋大会ではニューヨークの屋敷裕政がやはり徹底的に対策を練って出演し、優勝を果たしている。
以降、『感謝祭』側が微妙にレギュレーションを変更すると粗品がそれに対応するというイタチごっこともいえる状況が続いており、文字通り芸能界の「オールスター」が集合する『感謝祭』で、粗品は完全に主役の位置に座っている。TBSにレギュラーを持たない粗品が『感謝祭』に呼ばれ続けているのが、その何よりの証拠だろう。以前より「『感謝祭』のレギュラーになりたい」と熱望していた粗品だったが、実力でその地位を獲得した形だ。
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