◆俳優と監督の関係性「共犯者みたいな人を作れたら」

映画『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』
――古厩監督作品では、ほんとうに豊かな才能を持った俳優さんたちが、青春のきらめきを刻んでいます。テレビドラマ作品を初めて演出したのが、『ケータイ刑事 銭形愛』(2002年)。同作主演の宮崎あおいさんにとっては、青山真治監督の『EUREKA』(2001年)から1年後の作品でした。

古厩:なるほど、青山さんの『EUREKA』直後だったんですね。塩田明彦監督の『害虫』(2002年)も良かったし、あおいちゃんは、ほんとに映画の人ですね。いろんな撮影で大変だったと思います。『ケータイ刑事』の現場では、ずっと寝ていました。家が同じ方向だったので、帰りの電車ではよく、二人で爆睡(笑)。

――現場の監督と俳優にしかわからないエピソードですね。古厩監督は青山監督の劇場デビュー作『Helpless』(1996年)で助監督を務めています。その青山監督の追悼上映会『帰れ北九州へ―青山真治の魂と軌跡SHINJI AOYAMA RETROSPECTIVE 2023』へに寄せた菅田将暉さんや『空に住む』(2020年)に出演した岩田剛典さんのコメント文から監督と俳優ののっぴきならない関係性を感じました。監督と俳優の関係性をどのように考えますか?

古厩:僕ら世代の監督は、「私」という個性を前面に押し出す俳優よりも被写体として素材でいてほしいと思う感覚が強いと思います。映画にすべてを捧げます、みたいな……。もちろん逆のタイプの俳優も好きです。でももし勝新太郎さんが目の前にいたら、絶対に魅力的ですよね。

何度か飲みに行ったりする俳優さんはいますが、あまり近しくならないですね。共犯者みたいな人を作って、その俳優と作品をたくさん作れる体制を整えられたら最高ですが。

それこそ、青山さんのように。それにしても遺作になった『空に住む』はすごかった。空虚を絵にしようとする試みというか……、青山さん。