夏の甲子園はトーナメント方式の一発勝負。そちらの方が盛り上がるのは、時期の問題だけでなく、システムにあるようにも思われる。さらに、こんな指摘もある。
「主催社の体力の問題もあるでしょう。高校野球の主催は春が毎日新聞で、夏が朝日新聞。新聞各社はどこも猛烈なペースで部数が落ちていて、それは毎日も朝日も同じですが、とりわけ毎日は経営が厳しく、単独での生き残りは無理という声さえある。そんななか、朝日は高校野球を生き残りのための大事な販促ツールと捉え、高校野球関連の記事を1年中、熱心に取り上げています。イベントが盛り上がるかどうかは、やはり事前の煽りがとても大事。夏の甲子園と春のセンバツでは、宣伝や告知に大きな差があり、それが盛り上がりにダイレクトに影響しているのは紛れもない事実でしょう」(マネー誌記者)
“憧れの舞台に立ってみたら、意外と客席がガラガラで……”という球児のため息が聞こえてきそうだが、見守る大人たちはその状況を変えられるだろうか。