「まず、今年はとにかく気温が低いですね。今大会は18日に開幕しましたが、“春のセンバツ”という呼び名とは対照的に、気温はほぼ冬並み。冷え込みが厳しく、大会4日目には雪がチラつく場面もありました。目玉となるスター選手が見当たらないのも、不入りの一因でしょう。松坂大輔、田中将大、斎藤佑樹、清宮幸太郎など、甲子園には定期的にスターが現れますが、今大会は正直に言って投打ともに小粒。昨年夏の大会を制した慶應高校も出場を逃し、話題性に乏しいのは否めません。追い打ちをかけているのが、入場券の販売方法の変更です。数年前から入場券は全席指定で、基本的に前売りとなり、すべて1日通し券ですが、再入場はできず、途中で帰っても再販売は行われないので、第1試合や第4試合は空席が目立ちます。また、チケット代は2019年以降に2度値上げし、一部の席は以前の2倍以上になりました。外野席は無料でしたが、現在は700円(一般、税込)。これも観客減の大きな理由となっています」(週刊誌スポーツ担当記者)

 大会前半はまだ春休みに入っておらず、平日だったことも大きいが、満員御礼を連発する夏の大会との差は明らか。天候や時期に加え、センバツには構造的な問題もある。

「センバツが盛り上がらない大きな理由が、出場校選出の不明瞭さです。基本的には秋の地方大会の上位チームが選ばれる仕組みですが、時に不可解な選考があるのが大きな問題点。2022年には地方大会で準優勝したチームが落選してベスト4のチームが選ばれたため、大騒動になりました。また、センバツ特有の“21世紀枠”も、常に議論の対象になっています。これは、一定の成績を残したチームに対し、地域性、マナー、文武両道などを考慮して選出するものですが、スポーツの大会で、スポーツ以外の点を評価するのはどうなのかといった批判は絶えません。21世紀枠で選ばれた学校が不祥事で出場を辞退したこともありました。地域ごとの枠の数も、モメるネタになっています。東北と東海は長らく枠が2つしかなく、地元からはずっと不満の声が上がっていましたが、今大会から共に『3』に。その代わり、これまで『5』だった中国・四国が『4』になり、その地区の球児は泣くことになりました」(同上)