前話で『ギフト』争奪戦を一歩リードしたのは外科医の郡司(津田健次郎)だった。これまでは白鳥(佐々木蔵之介)の部下として藤巻の妻・麻帆(明日海りお)の担当医を務め、裏では白鳥の指示で医療界の悪玉を『ギフト』で始末するなど、白鳥の従順な腹心として動いていた。しかし、裏社会に『ギフト』を密売し私腹を肥やしていた事務長・本坊(筒井道隆)と、同じく白鳥派でありながら相談無しで闇のブローカーに捕らわれた本坊救出に乗り出した藤巻の弱みを握ると豹変。主である白鳥潰しと自身が“本物の皇帝”になると宣言した。
藤巻は入院中の妻を人質にとられているだけに八方ふさがりだが、本坊の図太さと切り替えの早さにより物語は進展した。院内で噂されている郡司の不倫を暴き形勢逆転を狙おうというのだ。本坊の郡司への対抗意識を焚きつけているのが、財界人御用達の高級ラウンジオーナー・安曇(倉科カナ)というから恐ろしい。安曇は闇のブローカーの始末に加担しており、『ギフト』の存在に気づいている。“力”に並々ならぬ好奇心を持つ安曇が、本坊を介して女同士の戦いのスタートボタンを押したかたちだ。
メインイベントは郡司を巡る鶴下(片山萌美)と麻帆の戦いだ。とはいっても麻帆は郡司と鶴下の不倫関係を知らず、鶴下が一方的に麻帆を恨んでいる構図だが、この2人の身勝手さがギフト戦線を大きくかき乱すとは……。怒れる鶴下が白鳥を脅して『ギフト』を催促し、妻の命を守るために苦悩する藤巻に郡司の前であっさりと三下り半を突きつける麻帆。麻帆にいたっては藤巻の精神崩壊を招き、下手したらバイオテロを起こすほどのダメージを与えた。
結果的に白鳥が鶴下を始末することで女の争いは収束したものの、その現場に元刑事の神林(尾上松也)が居合わせたことから、大病院を舞台にした連続不審死が表立った捜査対象になることは明白だろう。白鳥はそれを見越してか、郡司、久留米(波瑠)、本坊、そして安曇による「チーム・ギフト」を結成した。完全部外者である安曇がいる時点で、高級ラウンジでの犯行や郡司の下剋上宣言は、安曇を通して白鳥に筒抜けだったのだろう。つまりはチームといえど白鳥・安曇が主、その他は弱みを握られた“しもべ”だ。次回予告動画では、藤巻と久留米が神林と接触しており、「チーム・ギフト」VS警察with病理部の攻防が描かれるはずだ。