◆それでも人生は続く

ふいにおとずれるホットフラッシュに不正出血。止まらない汗に困惑し、スカートやイスにシミをつくる血液に泣きたくなる。若い女性社員には「更年期じゃない?」と噂されてしまう。更年期は女性ならずとも男性だってとおる道で、本人に罪はないのに、つい自分を蔑(さげす)んでしまうのです。

心身ともにアップダウンする圭子を支えているのは、今まで家庭に仕事に奔走してきた過去の自分=プライドなのかもしれません。圭子を揶揄(やゆ)する若い後輩も、時には圭子に反抗する娘も、まだまだ圭子を必要とするのです。

周囲にイラっとしたり、不甲斐(ふがい)ない自分に凹んだりしても、やるべきことがあるから、今日も圭子は前進していきます。迷いながら、手探りしながら、更年期に抗おうとするのです。