鎌倉の鶴岡八幡宮は1180年、源頼朝が今の地に移したといわれる。正月三が日にはおよそ250万人もの参拝者数を誇る、全国屈指の有名神社である。

 その名門神社が、神社本庁に内容証明郵便で離脱の旨を送付したのは、3月5日のことだった。各局のニュースでも驚きをもつて報じられた。

 翌6日と7日、当代の吉田茂穂宮司(81)が境内の直会殿に職員を集め、この度の経緯について話をしたというのだが、職員たちには納得がいかなかったようである。

「吉田は神社本庁から難癖をつけられたと主張したようです。しかし、その具体例がなく、話しぶりはまるで被害妄想にとられていたようだったと。離脱の理由についても具体的な説明がなく、職員たちは皆、唖然としたそうです」(鶴岡八幡宮の関係者)

 ハッキリした理由がなく、駄々っ子のように離脱するというのでは、職員たちが納得するはずはない。

 その上、吉田が就任してから職員が次々に辞めていったが、特に近年、その数が甚だしくなってきたというのである。

 退職者が止まらない理由は、吉田宮司が恣意的に神社を運営してきたからだというのだが、さる元職員によれば、中でも大変なのは結婚式だったという。

 以前は境内の「本宮」で行っていたのを02年から「舞殿」に移し、利益が上がる事業として力を入れていたそうだが、

「一日あたりの結婚式の数が大幅に増え、会場で生演奏を行うなど、手間もかかるようになり、他の仕事をする時間が削られ、休みが取れなくなってしまいました」(同)