1998年にX JAPANのギタリスト・hideさんが亡くなった時は、葬儀でYOSHIKIが「Forever Love」をピアノ演奏し、その傍らでToshl(当時はTOSHI)が魂の歌声を響かせた。しかし、今回のHEATHさんのお別れ会にToshlの姿はなく、YOSHIKIのピアノだけが鳴り響いていた。

 何かしら参列できない事情があるのかと思われたが、Toshlはお別れ会の当日に自身のブログを音声形式で更新。「今歌いたい歌、聴いてください」と切り出し、HEATHさんを失った心境と重なるような自身のソロシングル曲「さようなら」(1998年発売)をピアノ演奏と共に熱唱した。翌29日には、heathさんのソロシングル曲「迷宮のラヴァーズ」(1996年発売)を歌う音声をアップしており、heathさんへの想いの強さをうかがわせた。そうなると、なぜお別れ会に不参加だったのかという疑問がどうしても湧いてくる。

 その原因としてファンやメディアの間で指摘されているのが、2018年にバンドが活動休止になったころからささやかれているToshlとYOSHIKIの不仲説だ。バンドの絶対的なリーダーとして君臨するYOSHIKIとToshlの方向性にズレが生じ、一部では出演料をめぐる金銭トラブルが起きたとも報じられた。実際に根深い確執をうかがわせる出来事もあり、昨年12月に放送された『プロフェッショナル 仕事の流儀「YOSHIKIスペシャル」』(NHK総合)では、局側がX JAPANの映像を使おうとしたところToshIが拒否し、番組内ではToshIの映像がいっさい流れなかった。また、2020年にはToshIがInstagramからX JAPAN関連の投稿をすべて削除したこともあった。