◆「私の感覚、ちょっと間違ってるかも」と立ち止まって

――数分以上にわたり、泣いている子どもの様子をSNSに投稿したアカウントを見かけます。中には、わざと子どもの嫌がることをして泣き叫ぶ姿を撮影した動画も。これらについてどう思われますか?

泣く子ども
芙和せらさん(以下、芙和)「……児童虐待の悲しいニュースが後を絶たないですよね。捕まった犯人のスマホから、虐待を受けて泣いている子どもの動画や写真が押収されることが多々あります。寒い日にベランダに立たせて、震えている子どもを撮った動画がスマホに入っていたなどと、よく報道されていますよね。

『虐待している様子を撮るのと、子どもの泣き顔を撮るのとではわけが違う』と思うかもしれませんが、泣いている子どもに笑いながら何分もカメラを向け続ける行為も、構造としては近いものがあるのではないでしょうか。

考えてみてください。辛くて泣いている顔を『楽しいもの』『かわいいもの』として撮影しているんです。泣いている子どもにカメラを向け動画を撮り始めた時点で『私の感覚、ちょっと間違ってるかも……』と一度立ち止まってほしいです」