“延命”の背景には視聴率以外の要因もあるようだ。

 同賞といえば、「日本作曲家協会」と「日本レコード大賞制定委員会」が主催し、中継を放送しているTBSが後援をしている一方で、かねてから“芸能界のドン”と呼ばれる大手芸能事務所バーニングプロダクションの周防郁雄社長が強い影響力を持つとされている。過去には年間大賞に絡んだ“買収疑惑”も一部週刊誌で報じられたが、レコード会社の社員はこう語る。

「賞レースということで各賞の選定の票を持っている審査員のスポーツ紙や一般紙の記者やデスク、テレビ局員などへの接待が毎年の恒例行事となっているわけですが、レコードやCDの時代とは異なり近年は音楽業界も長年低迷。接待費もバカにならないし、『もうレコ大はなくしてもいいんじゃないか』と内心思っている業界関係者は少なくない。TBSも“数字”のわりに経費がかさむということで、番組時代もはやお荷物扱いですからね。続けたいのは影響力を維持したい“ドン”と経済的な実入りのある日本作曲家協会くらいのものでしょう」
 
 そんなレコ大だが、今年は例年以上に各賞、特に年間大賞の選考に苦労しているという。 

「年間大賞に関しては11月中旬から下旬に発表される『優秀作品賞』の中から選ばれるのですが、我々業界関係者の間では今年の“本命”は言うまでもなくYOASOBIの『アイドル』なのですが……すんなり決まりそうもないようですね」(同)