平成を代表するバラエティ番組のひとつ『進ぬ!電波少年』(日本テレビ系)の企画「電波少年的懸賞生活」で人気を博した芸人・なすびにフォーカスした英国制作ドキュメンタリー映画『The Contestant』が、今年9月に開催される第48回トロント国際映画祭でワールドプレミア上映されることになっている。

 当時、内容を知らされないまま番組のオーディションで無作為に選ばれたなすびは、目隠しされ何もないアパートの一室に全裸で閉じ込められ、当選総額が100万円に達するまで懸賞だけで生き延びる“監禁”生活を、本人は放送されることも知らずに1年以上送ることとなった。

 食品の懸賞が当たらず度々餓えの危機に瀕しドックフードを食べたり、髪や爪も切れず伸びっぱなし、歯ブラシやトイレットペーパー、パンツまでもはぎ取られ、全く安心できない人権無視の内容だったが、その斬新さとガチンコ具合が日本で大ウケだった。

 海外の人だけでなく、今の日本であっても実現不可能な極限のドキュメンタリーに値する衝撃だろう。

「24時間カメラが設置された小さな部屋に隔離され、劣悪で孤独な極限状態で過ごした日々は、なすびさんにとってかなりトラウマだそうで、懸賞のために日々何百枚もハガキを書いていたため、チャレンジ後はハガキをみると手が震えたり、人間不信にもなったといいます。放送当時もBBCなど海外メディアに取り上げられることがあって、放送後もなすびさんは直接取材を受けることもあったとか。ただやっぱり残酷すぎる内容ゆえ、他の文化圏からすれば、それを笑いの対象にしている日本はクレイジーと受け取られるでしょうし、批判的な目で番組内容を見る人も多いかと」(同・レポータ)

 現地で言語と作法を学ぶというクラシックなステップだけでなく、チャンスを掴む方法は沢山ありそうだ。

 渾身のネタで世界中の人々のハートを掴んでいくお笑い侍たちに、乾杯!